コーヒー豆の焙煎度8種類と味の変化|焙煎度合いごとにおすすめな豆も紹介
多くの人に飲まれているコーヒー。
「毎日何杯も飲んでいる」という人も多いのではないでしょうか?
コーヒーは「豆を焙煎し挽いたもの」を抽出して作りますが、そのコーヒー豆の焙煎度によってコーヒーの味は大きく変わります。
コーヒー豆のお店やカフェなどで「深煎り」などという言葉を聞いたことがあっても、焙煎度で何がどう変わるのかまで知っている人は少ないかもしれません。
コーヒー豆の焙煎度とその味の変化について知っておくと、自分好みの焙煎度を見つけることができるようになります。
そこでこの記事では、以下の点について詳しく紹介していきます。
- 焙煎とは?
- コーヒー豆の焙煎度の種類は?味や見た目はどう変わる?
- 焙煎度によってコーヒー豆はどう変わる?
コーヒー好きな人なら、焙煎度を知ることでさらに自分好みのコーヒー豆を手に入れることができますよ!
「コーヒーの浅煎り・深煎りってどういうこと?」「コーヒーってどれでも一緒じゃないの?」という人はぜひ最後までお読みくださいね。
コーヒーの焙煎とは?
コーヒー豆は茶色と思っている人がいるかもしれませんが、焙煎する前のコーヒー豆はもともと緑色だと知っていますか?
コーヒーの実から果肉や種子を取り除いたもので、「生豆」と呼ばれる緑色の豆なんです。
コーヒーの実として、取れた時から茶色なわけではないんですね。
その緑色の生豆の風味を引き出すために行われる加熱作業が「焙煎」。
生のコーヒー豆を火で煎っていくのですが、この焙煎の行程での加熱時間や熱の加え方(焙煎度)によりコーヒーの風味が大きく変わります。
おいしいコーヒーを作るための大事な行程がこの「焙煎」なのです。
それでは、焙煎度にはどのような種類があり、それによって味や見た目はどのように変わるのでしょうか?
次からは、焙煎度の種類について詳しく見ていきましょう。
コーヒー豆の焙煎度の種類は?味や見た目はどう変わる?
コーヒー豆は日本では栽培されていないので、世界中の生産地から「生豆」の状態で輸入されます。
生産地で焙煎されて届くのではなく、日本国内で焙煎されるんですね。
コーヒー豆専門店に行くと、自分の好きな方法で焙煎してくれるところがあります。
生豆で届いたコーヒー豆をお店で焙煎するので、好きな焙煎方法を選ぶことができるのは嬉しいですね。
コーヒー豆の焙煎度は大きく分けると「深煎り・中煎り・浅煎り」の3つ。
それぞれの特徴を表にまとめてみました。
※焙煎時間は浅煎りほど短く、深煎りほど長くなります。
焙煎度 | 色や味の特徴 |
浅煎り | シナモンのような薄い色。酸味が強い味わいに。 |
中煎り | 栗色。バランスが良く飲みやすい味わい。 |
深煎り | 濃い茶色。香ばしい香りと苦みが特徴。 |
大きく分けると3つになる焙煎度ですが、さらに細かく分けると8つになります。
「もっと詳しく知りたい!」という人のために表にまとめておきますね。
名前と焙煎度 | 色の特徴 | 味の特徴とおすすめの豆 |
ライトロースト(浅煎り) | 小麦色 | 一番浅い煎り方。 酸味が強く香りやコクはまだほとんどないため、この焙煎度で飲まれることはない。 |
シナモンロースト(浅煎り) | シナモン色 | コクや苦みはまだ柔らかく、酸味が強い。 ブラックコーヒーでも飲みやすいさっぱりとした味わい。 おすすめの豆はケニア・キリマンジャロなどのアフリカ産。 |
ミディアムロースト(中煎り) | 明るい茶色 | 苦みと酸味が適度にあり、柔らかい口当たり。 アメリカンコーヒーよく飲まれる煎り方。 おすすめの豆はキリマンジャロ、モカ、ハワイコナ、中南米、アフリカ系など。 |
ハイロースト(中煎り) | 茶色 | 酸味と苦みのバランスが抜群の味わい。 市販のレギュラーコーヒーはこの煎り方。 おすすめの豆はハワイコナ、エチオピア、コロンビアなど。 |
シティロースト(中煎り) | やや濃い茶色 | 酸味や苦みに加え、ロースト感もある味わい。 市販でも良く販売されている煎り方。 おすすめの豆はタンザニア、コロンビアなど。 |
フルシティロースト(深煎り) | 濃い茶色 | 酸味よりも苦みを強く感じる味わい。 アイスコーヒー、炭焼きコーヒー、エスプレッソに使われる煎り方。おすすめの豆はインドネシア産やケニア産など。 |
フレンチロースト(深煎り) | 黒色に近い茶色 | 苦みとロースト感が強い味わい。 ミルクと合わせて飲むカフェオレに使われる煎り方。 おすすめの豆はブラジル、コロンビア、ケニア、ハワイコナなど。 |
イタリアンロースト(深煎り) | ほとんど黒色 | 苦みとコクをかなり強く感じる味わい。酸味はほとんどない。 エスプレッソやカプチーノに使われる煎り方。 おすすめの豆はグアテマラ、ブラジル産、キリマンジャロなど。 |
※それぞれのコーヒー豆には風味に特徴があり、適さない焙煎度もあります。
「〇〇の豆をこの焙煎度で」と頼んでも断られることがあるかもしれません。
それは「この豆にこの焙煎度は適さない」と分かっているから。その場合は、焙煎度についてはお店のプロに任せましょう。
好みのコーヒー豆が決まっているなら、「この豆におすすめの焙煎度は?」といろいろ試してみるのもいいですね!
焙煎度によってコーヒー豆はどう変わる?
8つもあるコーヒー豆の焙煎度。
焙煎時間や熱の当て方により、コーヒー豆の風味が変化していきます。
では、一体何がどのように変化していくのでしょうか?
ここでは、コーヒー豆の「味わい・膨らみ方・クロロゲン酸の量」の違いについて詳しく見ていきましょう。
コーヒーの味わいの変化
コーヒーの味を決めるのは「酸味・コク・苦み」の3つの味わいです。
この3つの味わいは、熱の入り方や時間によって変化していきます。
各味わいの変化はこちら。
- 酸味:浅煎りほど強くでて、焙煎時間が長くなるほど少なくなっていく
- コク:焙煎時間が長くなるほど強く出る
- 苦み:浅煎りではまだ少なく、焙煎時間が長くなるほど強く出るようになる
つまり、
【浅煎りのコーヒー豆】
酸味が強く苦みが少なくなる
【深煎りのコーヒー豆】
苦みが強く酸味が少なくなる
ということになるんですね。
コーヒーの酸味が好きな人は「浅煎り」、苦みが好きな人は「深煎り」、酸味と苦みのバランスがいいものが好きな人は「中煎り」を選ぶといいでしょう。
ドリップした時の膨らみ方
挽いたコーヒー豆にお湯を注いだ時の膨らみ方も、焙煎度によって変わります。
お湯を注いだ時にモコモコッと大きく膨らむのは「深煎り」、あまり膨らまないのが「浅煎り」です。
なぜ、焙煎度によってお湯を注いだ時の膨らみ方が違うのでしょうか?
焙煎することでコーヒー豆の中の水分が蒸発し、水分があったところが空洞になります。
この空洞が大きいほど、お湯を注いだ時の膨らみ方が大きくなるんですね。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸の量の違い
コーヒー豆にはクロロゲン酸という成分が含まれています。
※クロロゲン酸とは?
クロロゲン酸は「ポリフェノールの一種」で、血糖値の上昇を抑えたり抗酸化作用があると言われています。
コーヒー豆には5~10%のクロロゲン酸が含まれていて、実は1~2%しか含まれていないカフェインよりも多いんです。
クロロゲン酸は焙煎時間が長いと成分は分解されてしまうため、浅煎りの方が多く取ることができます。
(酸味の強いコーヒーほどクロロゲン酸が含まれている、ということですね!)
コーヒー豆の焙煎度と味の変化を知って、好みの焙煎度を見つけよう!
コーヒーの焙煎度と味の変化について紹介してきましたが、いかがでしたか?
「今まで何となく飲んていたコーヒーって、こんなに複雑だったんだ!」と驚いた人もいるのではないでしょうか?
各焙煎度と味の特徴を知れば、いろいろなコーヒーを試してみたくなりますよね。
コーヒー豆の焙煎をしてくれるお店に、ぜひ一度足を運んでみてください。きっと、自分好みのコーヒー豆と焙煎度が見つかりますよ!
当店・大社珈琲では店内の焙煎機で、毎朝コーヒー豆を焙煎し、新鮮なコーヒーの味と香りをご提供しています。