スペシャルティコーヒーって何が違うの?生産者にも優しい高品質で安心なコーヒー豆の秘密
コーヒー好きの方や、コーヒー専門店で聞かれるようになった「スペシャルティコーヒー」という言葉。
「聞いたことはあるけど……」という人でも、スペシャルティコーヒーがどんな特徴があるコーヒーなのかを具体的に説明できる人は、あまりいないのではないでしょうか?
ここでは、スペシャルティコーヒーの定義、生産管理の特徴や品質、美味しい飲み方についても詳しく紹介していきます。
「スペシャルティコーヒーって美味しいの?」「どんな特徴があるの?」「普通のコーヒーとどう違うの?」という人は、ぜひ最後までお読みくださいね!
スペシャルティコーヒーと一般コーヒーの違いは?
スペシャルティコーヒーが一般のコーヒーと違う点とはどこでしょうか?
分かりやすいよう表にまとめてみました。
豆の産地・生産方法 | 大量生産では豆のコストがどんどん下がり、生産者たちに適正な報酬が支払われないことが問題になっています。 スペシャルティコーヒーに認められた農園のコーヒー豆は、通常よりも高い価格が支払われる仕組み。「良いものを作れば高く売れる」ので、生産者たちが丁寧に高品質のコーヒー豆を栽培するという好循環を生み出しています。 |
豆の形や大きさ | コーヒー豆の粒の形や大きさが揃っていることもスペシャルティコーヒーの条件のひとつ。「形や色が悪い」「虫食いがある」「カビが生えている」ような豆をひとつひとつ手作業で除去し、粒の揃った豆だけを丁寧に選別しています。 |
味 | スペシャルティコーヒーが他のコーヒーと違う一番のポイントは風味。 苦み・酸味・コク・香りなどの風味が、「コーヒー豆の産地や種類をしっかりと表現できているか」が大切になります。 |
価格 | 高品質な豆しか認められないスペシャルティコーヒーは、やはり一般のコーヒーの価格よりも3割ほど高めの値段設定です。 値段が高い分「高品質で安心なコーヒー豆という保証付き」なので、安心でおいしいコーヒーが飲みたい人にとってはその価値は十分ありますね。 |
スペシャルティコーヒーは、協会が認定した特別なコーヒー
スペシャルティコーヒーとは「From seed to CUP」を定義としたもの。
コーヒー豆を栽培するところから飲み物として提供されるまでの全工程の品質管理が行われ、高品質な商品が提供されるコーヒーを指します。
また、スペシャルティコーヒーの特徴として、農園との直接取引があります。そのため、品質に合った報酬を農園が受け取ることが出来ているのです。
日本には「SCAJ」という日本スペシャルティコーヒー協会(Specialty Coffee Association Of Japan)があり、協会が認めた豆だけがスペシャルティコーヒーと名乗ることができます。
スペシャルティコーヒーはどうやって生まれた?
スペシャルティコーヒーは、「品質のいいものを適正価格で」という考え方から生まれました。
コーヒーが世界に広がったことにより世界中でコーヒーの消費量が増え、「消費者へ安く大量に提供する」という流れになった現代。
その影響からコーヒーの低価格化が進み、生産者たちの収入が減少したことで生産者の数が減り、そのためにコーヒーの品質がさらに低下……という悪循環に。
「安かろう悪かろう」の商品の提供により、消費者のコーヒー離れがすすんでしまったことで、スペシャルティコーヒーへの考え方が生まれました
「できるだけ安く大量に」という考え方から、「品質のいいものを適正価格で」という考え方に変わっていったのです。
スペシャルティコーヒーの定義と評価基準7つ
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が定める定義について、一部を紹介します。
“消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。
引用:http://scaj.org/about/specialty-coffee
(中略)
生産国においての栽培管理、収穫、清算処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。”
具体的には、どのような豆がスペシャルティコーヒーと認められるのでしょうか?
協会がスペシャルティコーヒーと判断・評価する7つの基準があります。
①カップ・クオリティのきれいさ
コーヒーのクオリティーのこと。風味に汚れや欠点が全くないことが評価されます。
②コーヒーの甘さ
コーヒーに含まれる糖分の量だけを見るのではなく、他の風味とのバランスも大事です。
例えば、糖分が高くても強すぎる苦みや渋み、刺激的な酸味があると甘みを感じにくくなります。
③酸味の特徴
酸味が強ければいいのではなく、酸味の質について評価されます。
コーヒーの風味に生き生きとした印象や繊細さを与える酸味は評価されますが、不快な酸味や劣化した酸味は含まれていることは許されません。
④口に含んだ質感
コーヒーを口に含んだ時の触覚。粘り気・濃さ・重さ・舌触りなどが含まれます。
質感とは量感と同じではないので注意が必要です。
(量感の評価に偏ってしまうと、誤って判断してしまう恐れがあります)
⑤風味特性
一般のコーヒーとスペシャルティコーヒーを区別する最も大切なポイントです。
風味(味覚と嗅覚)から、栽培地の地域特性(Terroir)を感じ取れるかを判断します。
⑥後味の印象度
コーヒーを飲み込んだ後で持続する「コーヒー感」が甘さの感覚か、または嫌な感覚かを判断します。
⑦バランス
風味のバランス(主張しすぎているものや欠けているものはないか)を判断します。
スペシャルティコーヒーのおすすめの淹れ方は?
コーヒーには人それぞれの好みがありますが、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が薦めている抽出方法を2つ紹介します。
フレンチプレス
誰でも簡単においしいコーヒーを抽出できるフレンチプレス。
コーヒー豆は深煎り~中煎りのものを中細引き~粗挽きにして使いましょう。
ガラスポットを温めておき、コーヒーとお湯をいれます。
金網フィルターを下さないよう蓋をし、4分ほど置いて抽出しましょう。
金網フィルターを下ろし、カップに注げば出来上がりです!
クリスタルドリッパーでハンドドリップ
様々な淹れ方があるハンドドリップもおすすめの抽出方法のひとつです。
ハンドドリップで淹れる場合はクリスタルドリッパーがおすすめ。
クリスタルドリッパーにペーパーフィルターをセットし、コーヒー豆を入れたらお湯を注いでいきます。
まずは少量のお湯を入れて蒸らし、その後少しずつお湯を注いで抽出していきましょう。
ハンドドリップは様々は淹れ方があるので、ぜひ自分好みのおいしいコーヒーを淹れられる方法を見つけてくださいね!
新しい味「スペシャルティコーヒー」を体験してみよう!
今回はスペシャルティコーヒーについて紹介しました。
「From seed to CUP」という考え方をコーヒーに関わる人皆で共有し、生産・管理からコーヒーとして飲まれるまでの全過程で品質が保証されている、スペシャルティコーヒー。
当店、スペシャルティコーヒー専門店 大社珈琲では、自家焙煎したての新鮮なコーヒーをご提供しているほか、オンラインショップからもお取り寄せいただけます。
スペシャルティコーヒーの特別な美味しさを、ぜひ試してみてくださいね!